「荒子トンネルは、普段クルマで通りすぎるだけですね。入社して、最初の見学のときにじっくり見た以来です」
と、トンネルの天井を見上げるのは2009年入社の鈴木忠臣。入社以来、国道23号線蒲郡バイパスを中心に、数多くの現場を渡り歩いてきた土木のプロフェッショナルだ。彼は今、監理技術者という肩書きで、現場を仕切っている。どんな仕事内容なのか、どんな気持ちを抱いて取り組んでいるのか、クルマが行き交う荒子トンネルの中で聞いた。
今の仕事内容を教えてください
国道23号線にある現場で、監理技術者として仕事をしています。監理技術者は、一定の規模を超える現場では、必ず配置しなければいけない技術者のこと。よく工事現場に概要が書かれた看板があるじゃないですか。工事業者がどこどこで、いつまでに完成しますよ、ってやつ。そこに現場の責任者として書かれるのが監理技術者だったりします。
監理技術者の仕事は現場によって異なりますが、直近で取り組んでいるのは、測量、写真撮影、資材の段取り、工程作成、あとは変更図面の作成も僕の仕事です。ざっくり言ってしまえば工程管理と品質管理の統括。現場をスムーズにスケジュール通り動かすことと、ちゃんと図面通りに完成させることが僕の役割です。
鈴中工業を志望したのはどうしてですか?
僕は生まれも育ちも安城市で、就職するときの基準は自宅から通えるところ。地元に残る友達が多いし、やっぱり楽ですからね。大学は土木専攻だったので、とりあえず愛知県内で土木ができる会社を探しました。
会社を見るときの基準は、大きく2つで資本金と施工の種類。安心して働きたかったので、資本金チェックは大事。それと、どうせならいろんな工事に関わりたいと思ったので、施工実績はしっかり見ましたね。下水専門とか、狭く深い会社も多いので。
鈴中は長く続いているだけあって会社の地盤はしっかりしているし、施工もかなり幅広く取り組んでいて、ここだと思いました。その印象は入社後も変わっていませんね。いろんな仕事ができます。……ただ、想像よりデスクワークは多かったです。これは誤算でした(笑)。
この仕事の面白さはどこにありますか?
僕がこの業界に興味が湧いたきっかけは、あるテレビ番組でした。家のリフォームの前と後を見比べるやつ、ありますよね。僕はあの番組が好きで、いつか家を建てる人になろうと思っていたんです。
でも、大学で土木を学ぶうちに、家よりも建設業の方が規模がでかくて面白いなと思うようになったんですよね。地球をいじってる、って感じが好きです。あと、道路とか作って、あとで自分が通ると誰かに自慢したくなりますよ。これ、俺が作ったんだぜって。他の仕事じゃ、なかなか言えないですよね。道路作るなんて。正確には、僕が作ったというより、僕が手伝った、ぐらいなんですけど。
それと、同じ現場は二度とないところも気に入っています。毎日、必ず何かの変化があるし、だんだんと現場が出来上がっていく様子とか、見ていて飽きないです。終わったら、次の現場でまたゼロからスタートするのもいいですね。いつも新鮮な気持ちで仕事に取り組めます。
鈴木 忠臣Tadaomi Suzuki
部署:工事部入社年:2009年
愛知県安城市生まれ。浅く広く趣味を持つ。最近好きなことは、日中にサウナに行くこと。飲んだ次の日にサウナに入るのが最高の瞬間。今挑戦したいことはキャンプ。まだ一度も行ったことはないけれど、近いうちに装備を揃えたい。いつかはソロキャンプをすることが目標。
鈴中の仕事 03
荒子トンネル(一般国道247号)
施工内容:土木工事 竣工年:2008年
国道247号の中央バイパスのために作られた全長75メートルのトンネル。鈴中工業はこの施工を担当した。このトンネルによって、2017年に中央バイパスが全線開通。利便性が大幅に向上するとともに、この地域の交通渋滞の緩和にも一役買った。